STEPPIN'LOGS

リズムに乗ってどこまでも

【DJアゲ太郎レビュー】時代と文化を包含したオールドスクール(古典)は永遠に色褪せない

 

 

アゲ太郎上野修行終わりましたね。

とんかつDJアゲ太郎をひたすら絶賛しまくるブログみたいになってきました。

長引いた展開だけあって34話はもう最高潮に良かったです。
布団にくるまりながらいつのまにか目頭熱くなり、グッッと拳を握りしめていました。

落語の古典=ダンスミュージックのオールドスクール

上野修行編が始まった際にオールドスクールの流れキターって興奮してたこの時、

steppin-k.hatenablog.com

 その後、そこまでフィーチャーされなくてちょっと早とちりしたかなあと思ったけど、やっぱり要点にありました。
33話でいん喜くんの師匠である落語家じいちゃんがきちんと拾ってくれました。

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少年ジャンプ+:

 
「兄ちゃんのかつからは未熟ではあるがそんな古典を敬い、自分の味を出そうとしている姿勢が見えた」
ん~いいね、フラグ回収!古典を敬う。これ大事ですよね。

落語ならなおさら、抑えておかないといけない噺であり、
音楽、芸能の世界も然り、古典を敬い学びそして“楽しむ”必要があるですよね。

落語でいう噺の古典は、ダンスミュージックではオールドスクール、すなわち原点。
「古典…DJと同じだ」とアゲ太郎くん。そっかオールドスクールの気付きはすでに自覚済だったのね。
ここで初めて邂逅する流れと思ってました。

古典を敬い、自分の味を出す

良い音楽、つまりかっこいい音楽やノリのいい音楽、味のある音楽といった、
いつ来ても聴いても色褪せない良い音楽には必ず古典=オールドスクールレアグルーヴの息吹があります。

オールドスクール音楽はレアグルーヴ音楽が基軸となっています。
ファンク、ジャズ、ソウルのグルーヴが根付いた音楽、
そこには時代と文化を包含した要素が詰まっており、幾人の腰をひねらしてきたグルーヴが必ず存在する。

そのグルーヴ要素をサンプリング(または演奏や機材で体現)して抽出しているオールドスクールはだから色褪せない。
そう永遠にです。いつ聞いても最高なんです。

ヒップホップヘッズの人なら誰しも知ってるIncredible Bongo BandのApache(アパッチ)というカバー曲があるんだけど。
この曲のドラムブレイクは至るところで使用されている。(Wikiでも専用ページあるんだw 「ヒップホップのナショナル・アンセム(国歌)」だそうです。)
どこかで聞いたことある人もいるのでは。

www.youtube.com

私は、このドラムブレイクをループかけてそのまま4時間以上は聞いていられる自信がある。
だって踊れるしかっちょいいもん。ボンゴいいよね~。

このドラムブレイクを活かして自分の味をみんなだしている。

 

Switch - A Bit Patchy (Original Mix) - YouTube

 

 このミックスの4分くらいから。これはリミックス

アパッチは色んなところで使われてしていて、どれも良い使われ方がしてる。

 

このようにオールドスクールを敬う音楽はいつ聴いたって色褪せない。
いつでもどこでも彼らは音楽に佇まっているのだ。

古典を知らずに流行りに迎合した音楽というのはここが抜けている、全く無いからつまらぬのだ。
聞いても何の面白みもない。中身がない。

いん喜くんが出会う自分の姿、それは落語×ミーツラップ

で、漫画の方もおもしろいので書かせてください。

ついについにいん喜くんがステージに上がる。
しかもフリースタイルで乱入、てかマイク持ってねえ。

ラップだとライムが漫画で読めるからいいね。いん喜のラップ超カッコよさそう。
落語の口上をラップにしてダンスミュージックに持っていくとか考えたこたあねえ、
いやあ粋だねえ。
これ、新ジャンルだね人気がでるとかどうこう、
日本人の文化を最大限に活かしたラップ表現で筋通ってて、アイデアが抜群。
落語のレコードをサンプリング的にミックスするという道もあったけど、ナードコアっぽくてなんか嫌だ。
そこを生のライブとしてラッパーを立てるアイデアはやるねえ作者。

物語の展開は最高潮!

こっちはもう二ヶ月くらい、いん喜が悩む姿をみてきたんだよ。
もやもやした気持ちは読んでてわかってる、、早く、突き抜けていってくれと願うばかり。

そのいん喜がステージにデーンと立ち、マイクを手にラップをかます!ライムには落語の口上のテイストが活かされている!
そして観客からの歓声があがる!あがる!
このカタルシスには興奮しまくりました。

イベントやってる人って日常生活が大半で、ブッキングやプロモーションの準備がほとんど。
こうやってライトあたる日は少ない。

けど、その分当日を迎えた時の、湧き出る興奮や楽しさったらそれはもうたまらんです。

あの幼馴染の子もなにもいわずに見守って笑いかけるシーンもよかったねぇ。。
遠くで見守る、古典を取り持つお師匠達。そして桜満開でエンド。ぱちぱちぱち
普通に漫画としておもしろいなあ。

さてアゲ太郎は渋谷に戻ったら次はどんな展開になるんでしょ。
パーティーもはじめているし、具体的に音楽面を取り扱う切り口が入ってくるのでしょうか。楽しみです。